1000円で体験できる、歌舞伎の入り口【一幕見席というチケット】

歌舞伎ってどんな世界なんだろうか…。

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歌舞伎・相撲・落語、一度は経験してみたい日本の古典文化です。

その一つの歌舞伎、調べてみるとびっくりするくらい時間が長いんですね。(基本的に)昼の部と夜の部に分かれていて、その一つの部の中に、複数の演目と間の休憩を入れて約4時間(長っ)!チケットも4,000円から一番高いものだと20,000円まで!何となく、試し見くらいの軽い気持ちで行くには、ちょっと敷居が高いですね…。

そんな歌舞伎の入り口でウロウロしていた私にぴったりな歌舞伎の楽しみ方がありました。一つの演目だけを見るチケット「一幕見席」です。

気軽に歌舞伎を楽しめる一幕見席

「一幕見席」は、読んで字のごとく一つの演目だけ見る席。選ぶ演目によって時間も値段も前後しますが、時間は大だいたい1時間前後で値段も千円前後。ではこの一幕見席というチケットはどんな特徴があるのでしょうか。

見たい演目だけ見れる

歌舞伎のチケットは、基本的に複数の休憩を挟んで複数の演目を見るためのチケットです。 なので見たい演目、楽しい演目もあれば、そうでない演目も含まれています。時間はトータルで大体4時間。 気軽に歌舞伎を楽し見たい方には、少し敷居が高いかもしれません。その点一幕見席なら見たい演目だけ1時間前後(演目により)短時間でサクッと、見れるが特徴です。

千円前後で歌舞伎が観れる

歌舞伎のチケットの値段は、一番安い席で大体4,000円くらいから。複数の演目が見れるので4,000円でも決して高くはありませんが、『歌舞伎ってどんな世界なんだろう?』と試見的に見るにはちょっと高く感じるかもしれません。そういった方に千円前後から購入できる一幕見席はおすすめです。

前もってチケットを買わなくてよい

歌舞伎に限らず、観劇やスポーツなどは基本的に前もってチケットを購入しておく必要がありますが、幕見席の場合は『あっ、今日歌舞伎見たい!』 といったとき、当日チケットを買ってみることができます。

 

見たい演目を千円前後で、チケットは当日購入できる一幕見席。 『とりあえず歌舞伎の空気感・世界観を味わいたい!』『この演目だけ見たい!』という人には理想的なチケットですが、当然注意点もあります。

一幕見席の注意点

・当日券のみで自由席のみ(当日に並ぶ)
・4階席のみでかなり遠い(オペラグラスが必要かも)
・入り口が別のため、正面ホール等には入れない
・座席に限りがあるため、立ち見になることも

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    一幕見席の注意書き

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    一幕見席の一口

しかし、試見的に歌舞伎の雰囲気を味わうには十分で『これは!』という演目があれば見る価値が大いにあると思います。

初めて見る歌舞伎。どんな演目を選べばよいか

そんな一幕見席で選ぶべき演目は、登場人物の衣装や舞台背景が、視覚的に楽しめそうな演目(極採色を使っているとか)を選ぶこと。何せ一幕見席から舞台まで距離があるため、細かい演技のやり取りやシンプルな舞台装置だと楽しめない可能性が大きいです。なのでwebサイトで今月の演目を調べ、登場人物の衣装や舞台背景の色がビビットで刺激的な演目を選ぶと一幕見席でも十分に楽しめると思います。

歌舞伎公式サイト「歌舞伎美人」で、今月の公演をチェック

歌舞伎の演目はだいたい毎月変わるため、月初に歌舞伎公演のサイト「歌舞伎美人」で調べると、今月の公演情報が確認できます。そしてその中で面白そうな演目を見つけたら、当日販売される一幕見席の販売時間を調べます。同サイト内の新着ニュースやサイト内検索で「一幕見席」と調べ、一幕見席の販売時間を確認。当日何分前に並び始めようかなとか考えたりします(私は大体30分前を目安に並び始めます。)

そんな私が幕見席を使って初めて見た演目が『鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)』。

"帝の命により戸隠山に鬼退治に来た男たちが、美女に酒を飲まされ踊って飲んで。
酔いがさめた男たちが改めて山を進むと、美女から姿を変えた5人の鬼が現れ、最後はチャンチャンバラバラ…。"

文章で読んでも面白そうでしょう?
この演目を歌舞伎デビューの演目と決めて行ってみました。

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鬼揃紅葉狩の絵看板

当日は少し早めに行って並ぶべし

当日、一幕見席販売時間の30分前に東銀座の歌舞伎座へ向かい、正面玄関横の幕見席チケット売り場へ。既に数人の方がベンチに腰かけ並んでいたので、急いで後ろに並びます。ベンチに座る前に、係の方がお目当ての演目がどれかということと、ラミネートされた初めての方への案内を見せながら簡単な説明をしてくれるので非常にスムーズです。日本の代表的な文化ということで、多くの外国人の方もいたりして、待ってる間も結構わくわくしながら待てます。

チケットの購入と再集合

チケット販売数分前になると、係員の方が改めて注意事項を確認します。
『今から販売するのは○○(演目名)の幕見席です』とか
『購入は現金のみです』とか
『今からお伝えする集合時間までに、この入り口からエレベータを使って4Fまで来てください』とか…。

その後、チケットを現金で購入し、集合時間までの空き時間(30分~1時間くらい?)を経て、集合時間ちょっと前に4Fフロアに行くと、チケットに書かれた番号順に並ばされ、数分待つという流れになります。

一枚の絵のように美しい歌舞伎

『今から入場していただきますが、けして走らないようお願いします』

そんな、係員の方の声を合図に、ついに入場です。幕見席は全90席あるそうですが、一つ前の演目から続けて幕見席でみる(チケットは事前に二幕分購入している)方もいらっしゃるので、空いてる席を探し素早く座ります。極力中央の空いている席を選び座って前を見ると、ちょっとびっくり。

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歌舞伎座の内部

公演前から楽しい歌舞伎舞台

おお、広い!
あれが花道か!
上階の両サイドの席、結構よさそう!
一番前の人がうらやましい!

初めて歌舞伎座の中に入ると色々な情報が目に入り、ついキョロキョロしてしまいます。舞台には、『歌舞伎といえば』で頭に浮かぶ、あの緑とオレンジと黒の幕(定式幕っていうらしいです)がかけられ、裏で、次の演目の準備が進められていることを想像させます。
他の観客は比較的年配で落ち着いた方が多く見られますが、結構若い方もいたりします。歌舞伎俳優がTV番組に出演している効果があったりもするのでしょうか。
よく見ると壁紙は文様が浮き彫りになっていたり、天井の照明のとリ方が独特だったり、こだわりをあちこちに感じます。

こういう時の待ち時間って長く感じるんです。開演数分前にフザーが鳴り、まだかまだかと待ちます。今月の演目のリーフレットをじっくり見返したり、携帯電話の電源をoffにしたりしていると会場の照明が落ち、ついに開演………………。

歌舞伎はとっても面白い!

いやー。面白かったです!
初めて見る演目のチョイスとしては、抜群だったと思います。色鮮やかな衣装に強い照明が当たり、舞台上が一枚の絵のように美しい!連獅子を思わせる5人の鬼の顔、赤くて長い髪、その長い髪をぐるぐる回す様。

三味線を使っての演奏タイムは少々眠気を感じちゃいましたが、どこからともなく『成田屋!』『中村屋!』とかかる掛け声が新鮮ですし、最後の5人と鬼と男たちのチャンバラは、色彩そのものが舞台の上で舞っているかのようでした。

私は、一幕見席で初めて歌舞伎を見たこの日を境に、毎月のように歌舞伎を見に行くようになってしまいました。

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    入口前の積み樽

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    別月の絵看板その1

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    別月の絵看板その2

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    別月の絵看板その3